最近、夏休み明けに学校や職場に戻る準備をするのに、近所の健康食品店で買い物をする人達が増えています。もちろん、健康食品店にはペンもなければ鉛筆もノートもありません。しかし、そこにはあなたが思うより、もっとはるかに価値の有る商品が置かれているのです。
もっと具体的にいえば、そこにはあなたの脳をサポートする様々な栄養補助食品が置かれているのです。だからと言って魔法の薬があって、私たちを一瞬のうちに秀才にしてくれるという訳ではありませんが ……。最近の研究でいくつかの栄養補助食が脳の働きを著しく良くする可能性があるということが発見されています。これら栄養補助食品にはattention deficit disorder(ADD:注意力の欠乏)の治療、アルツハイマー及びその他の脳の疾患を持つ患者の記憶力の向上や学習能力の改善などにも用いられているものもあります。
人間の脳に最も重要な栄養補給の形態には意外と簡単なものもあります。品質の良いマルチビタミンを毎日飲むだけで、広範囲にわたって精神機能を著しく向上させることが可能です。例えば、1994年にJournal of Nutritional Medicine に掲載されたGriffithsとBentonのケースレポート『ビタミン/ミネラルによる栄養補給の影響と8才男児の知能』では、ビタミンやミネラルによる栄養補給が知的能力のいくつかの分野において驚くほどの違いをもたらす可能性があることを示唆しています。ここでの著者の主な仮定は、ビタミンやミネラルを多く含む食物を摂取せずに、糖分などからエンプティーカロリーな(栄養価の低い)食事を摂取すると、知的能力の減少につながるというものです。前述の8才の男児に何の変哲もない(普通の)マルチビタミン/ミネラルを飲ませたところ、知能指数が14ポイントも上昇したことがその研究報告でレポートされています。同研究報告では彼等以前の研究結果(ADD 関連のもの)についても言及しており、これらを類似した研究であり、また有意義なものであったとして支持しています。
脳への栄養補助に対するもう一つのアプローチ方法としてはハーブの使用があります。このような目的には一般にはギンコ(イチョウ葉)として知られる、ギンコ・ビローバ(ginkgo biloba)が最も広く使用されています。ギンコは集中力や反応時間の向上のみならず、他の知的パフォーマンス関連分野においても効能があることが知られています。これらの効能は痴呆症やアルツハイマー病、または脳不全などの障害についてのものですが、若い、健康体における精神的な能力の向上にも効果があることも報告されています。
ギンコの有益な効能には多くのメカニズムが働いています。その中のひとつのメカニズムはギンコの、毛細管への血液循環を増加させるというものです。ある研究者は、この血液循環の増加が脳に必要な栄養素と酸素を提供するのを助け、ひいては精神力の向上につながると説明しています。もうひとつのメカニズムはギンコの特徴として良く知られている抗酸化体としてのものです。
これらの効能は主にギンコ・フラボン・グリコサイド(ginkgo flavone glycosides) とテルペン・ラクトーン(terpene lactones)と呼ばれる分子によるもので、各々24%濃度、6%濃度のものが最も有効であるとされています。しかし、ギンコビローバ葉エキスの残りの70%にも幾つかの有効成分が含まれています。したがってギンコビローバ葉エキスそのものも価値があるとされています。
| 栄養補助食品 | 病状 | 機能 |
| マルチビタミン/ミネラル | ADD、 遅発反応、記憶障害 | N.A. |
|---|---|---|
| ギンコ・ビローバ | 記憶障害 アルツハイマー病 脳(機能)不全 変性の痴呆 | 脳内毛細管の血液循環の増加、抗酸化物質としてフリーラジカルから組織を守る。 |
| ピクノジェノール | ADD(注意力の欠乏) | 抗酸化性メカニズム |
| DMAE | ADD、記憶障害、認知障害 | 神経伝達前躯物質 |
| ホスファチジルセリン ホスファチジルコリン | ADD、記憶障害 | 神経伝達前躯物質 神経線前躯物質 |
栄養補助食品の中には他にも前述した栄養補助食品と似た効能をもたらすものが幾つかあります。ひとつは強力なアンチオキシダント(抗酸化剤)で、豊富にプロアンソシアニジン(proanthocyanidins)を含むピクノジェノール(pycnogenol)と呼ばれるものです。ピクノジェノールは血流に乗って脳に運ばれる性質を持つ物質で、効能は認識欠陥症やADDの治療だけでなく、いくつかの脳障害の予防薬として広く処方されています。
もうひとつの重要な栄養補助食品はDMAEと呼ばれるジメチル・アミノメタノール(dimethylaminoethanol)です。 DMAE は神経伝達物質と呼ばれる脳の非常に重要な化学物質の自然の前駆体(人体に必要なある物質に変化する起源となる物質)で、70年代にはデアノール(deanol)という名称で知られていました。その当時はDMAEの幼年期の学習障害の治療に対する有効性を探るための研究が行われていました。その後、DMAEはADD 関連の疾病だけではなく、様々な形態の精神障害にも有効であることが証明されてきました。これらにはうつ病、車調整障害(乗り物酔)、そして精神疲労などが含まれます。他にも神経伝達物質の前駆体であるホスファチジルセリン(phosphatidylserine)やホスファチジルコリン(phosphatidylcholine)も神経の伝達経路の保護に関して重要な役割を担っていると考えられています。